殺鼠剤の配置について
殺鼠剤の置き場所によってネズミが食べるか、食べないかが決まります。どこに配置するかは、駆除効果を左右する大切な問題です。ネズミの行動経路をたどり、ネズミが安心して食べることのできる隙間、物陰などに配置します。そして「家畜が誤って食べる恐れのある場所」「殺鼠剤が変質しやすい場所」を避けることが大切です。殺鼠剤が変質しやすい場所とは、水でぬれやすい、ほこりや汚れが付きやすい、風で飛散しやすい、湿気でカビやすい、などといった場所です。
やや大変な作業になるかもしれませんが、天井裏がある場合はそこに配置するのが家畜に対して安全です。また、クマネズミにとって天井裏は安心できる場所なので、殺鼠剤を喫食しやすくなります。
必ずそうなるとは限りませんが、畜鶏舎の短辺を重点的に駆除する(図1)ことで、畜鶏舎全体的にネズミの発生が抑えられることがあります。畜鶏舎によって状況は異なると思うのですが、ネズミは長辺より短辺の方に巣を作り易いのかもしれません。また、殺鼠剤を配置し易いポイントも、長辺より短辺の方に多い気がします。
餌皿としては植木鉢の水受けや総菜のトレーが使えますし、専用の餌皿も販売されています。
やや大変な作業になるかもしれませんが、天井裏がある場合はそこに配置するのが家畜に対して安全です。また、クマネズミにとって天井裏は安心できる場所なので、殺鼠剤を喫食しやすくなります。
必ずそうなるとは限りませんが、畜鶏舎の短辺を重点的に駆除する(図1)ことで、畜鶏舎全体的にネズミの発生が抑えられることがあります。畜鶏舎によって状況は異なると思うのですが、ネズミは長辺より短辺の方に巣を作り易いのかもしれません。また、殺鼠剤を配置し易いポイントも、長辺より短辺の方に多い気がします。
餌皿としては植木鉢の水受けや総菜のトレーが使えますし、専用の餌皿も販売されています。
図1:豚舎でのネズミ対策の例。色のついている、豚舎の短辺部分に殺鼠剤を重点的に配置したところ、豚舎全体でネズミが減少した。各豚舎の短辺は約24m、長辺は約70~90m。
配置できる場所がどこにもない場合は、ベイトボックス(写真1、写真2)を使用する、配置用の棚を取り付ける、などの工夫が必要です。
また、侵入防止策として、畜鶏舎の屋外の土台付近にブロック型の殺鼠剤を配置しましょう。ブロック型殺鼠剤は雨に強く長期間変質しません。目安として1ヵ月に一度、3~5m間隔で20gずつ配置してください。巣穴がある場合はその中に投入します(写真3)。
また、侵入防止策として、畜鶏舎の屋外の土台付近にブロック型の殺鼠剤を配置しましょう。ブロック型殺鼠剤は雨に強く長期間変質しません。目安として1ヵ月に一度、3~5m間隔で20gずつ配置してください。巣穴がある場合はその中に投入します(写真3)。
急性毒と慢性毒を組み合わせて使用する
ネズミが大量に発生している場合は、最初に急性毒を使って一気に生息数を減らします。急性毒でネズミの生息数が減った後は、毎月1回、慢性毒を使用して生息数を抑えます(グラフ1)。急性毒を使わないで最初から慢性毒のみですと、大量発生の場合はなかなか生息数が減りません(グラフ2)。急性毒は、前述しましたがオールアウト時、または専用無毒餌で餌慣らしをした後に使用します。急性毒は上手に使用すると、9割ほどのネズミを一度に減らすことができます。ネズミを減らした後は、慢性毒を定期的に使用することで、低い生息数のまま保つことができます。
急性毒使用後に生き残ったネズミは急性毒を警戒しますので、急性毒の連続使用は効果がありません。一度急性毒を使用したら、次の使用は半年以上開けた方がよいようです。急性毒を使用して半年が経過した後に再びネズミが増えてきた場合は、もう一度急性毒に戻って駆除を行います。
急性毒使用後に生き残ったネズミは急性毒を警戒しますので、急性毒の連続使用は効果がありません。一度急性毒を使用したら、次の使用は半年以上開けた方がよいようです。急性毒を使用して半年が経過した後に再びネズミが増えてきた場合は、もう一度急性毒に戻って駆除を行います。
(グラフ1)
(グラフ2)
4回にわたり、畜鶏舎での効果的なネズミ対策について見てきました。皆様のお役に立つヒントはございましたでしょうか。
文章でお伝えできるのはあくまで原則論的な事であり、実際に効果的なネズミ対策を実行しようとするとそこには大変な試行錯誤があるはずです。しかし、ご紹介した原則を踏まえ、さらにそこに皆様の熱意と工夫を盛り込んでいただいて、効果的なネズミ対策に取り組んでいただきたいと願っています。