登録による分類
殺鼠剤には、一般家庭や店舗・工場などで使用する「防除用医薬部外品」、農地などで使用する「農薬」、そして畜産の現場で使用する「動物用医薬部外品」があります。畜鶏舎では動物用医薬部外品承認のある薬剤を使用しなければなりません。現在市販されている動物用医薬部外品を(表1)に示しました。
形状による分類
殺鼠剤の主な形状には、粉剤(写真1)、粒剤、ブロック剤(写真2)があります。粉剤・粒剤は使い勝手がよい反面、飛散しやすいので、家畜が誤食しないように配置を工夫しましょう(写真3)。ブロック剤は水に強く、変質しにくい特徴があります。ネズミが飼育スペースに持ち込まないように針金で固定するための穴が開いています(写真2、4)。
効能による分類 急性毒
毒性には、大きく分けて「急性毒」と「慢性毒」があります。急性毒は1g程度の喫食によりネズミが12~24時間で死亡します。喫食して3時間ほど経つと中毒になり、それ以降は喫食しなくなるので、喫食開始から3時間以内に致死量を食べさせることが肝心です。上手に使用すると一度に大量のネズミを駆除することができます。
急性毒をうまくネズミに食べさせるためには、オールアウト(以下AO)時に集中して使用するのが有効です。餌となる飼料が無くなって空腹になるため、毒餌であってもネズミが喫食するのです。
また、AOのない現場では、「専用無毒餌」で餌慣らしをすることをお勧めします。専用無毒餌とは、急性毒から薬品成分を除いた無毒の餌のことで、見た目と味は急性毒と同じです。配置した専用無毒餌を1週間に一度確認して新しいものと取り換え、これを1ヵ月ほど続けます。そして十分に喫食するようになったら急性毒に切り替えます。餌慣らしの期間は現場によって違い、3週間で餌慣らしが完了する場合もあれば、2ヵ月ほど要する場合もあります。クマネズミは警戒心が強く、無毒であってもなかなか食べない場合が多いので、根気強く餌慣らしを行うことが必要です。
急性毒をうまくネズミに食べさせるためには、オールアウト(以下AO)時に集中して使用するのが有効です。餌となる飼料が無くなって空腹になるため、毒餌であってもネズミが喫食するのです。
また、AOのない現場では、「専用無毒餌」で餌慣らしをすることをお勧めします。専用無毒餌とは、急性毒から薬品成分を除いた無毒の餌のことで、見た目と味は急性毒と同じです。配置した専用無毒餌を1週間に一度確認して新しいものと取り換え、これを1ヵ月ほど続けます。そして十分に喫食するようになったら急性毒に切り替えます。餌慣らしの期間は現場によって違い、3週間で餌慣らしが完了する場合もあれば、2ヵ月ほど要する場合もあります。クマネズミは警戒心が強く、無毒であってもなかなか食べない場合が多いので、根気強く餌慣らしを行うことが必要です。
効能による分類 慢性毒
慢性毒は抗凝血性殺鼠剤とも言われ、動物用医薬部外品には第一世代のワルファリン製剤、第二世代のブロマジオロン製剤があります。
第一世代のワルファリン製剤は、3~5日間の連続喫食で効果が得られますので、ネズミが食べて無くならないよう多めに配置したり、減っているところには追加配置したりすることが必要です。効果は徐々に現れ、ネズミが死亡するのは食べ始めから7~10日後です。中毒の発現に時間がかかるために毒であることが気付かれにくく、急性毒に比べて喫食量が多くなります。
問題は、ワルファリン製剤のみ繰り返し使用しているとネズミに抵抗性が生じてしまう恐れがあることです 。海外では抵抗性のドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミが確認されており、日本では抵抗性のクマネズミが問題になっています。抵抗性が生じてしまった場合は、急性毒または第二世代の慢性毒を使用します。抵抗性を生じさせないために、急性毒・慢性毒をローテーションして使用することをお勧めいたします。これはVol.4の 「急性毒と慢性毒を組み合わせて使用する」の項で取り上げます。
第二世代のブロマジオロン製剤は、1回の喫食で効果があると言われています。ネズミが死亡するのは第一世代と同じ7~10日後です。
第一世代のワルファリン製剤は、3~5日間の連続喫食で効果が得られますので、ネズミが食べて無くならないよう多めに配置したり、減っているところには追加配置したりすることが必要です。効果は徐々に現れ、ネズミが死亡するのは食べ始めから7~10日後です。中毒の発現に時間がかかるために毒であることが気付かれにくく、急性毒に比べて喫食量が多くなります。
問題は、ワルファリン製剤のみ繰り返し使用しているとネズミに抵抗性が生じてしまう恐れがあることです 。海外では抵抗性のドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミが確認されており、日本では抵抗性のクマネズミが問題になっています。抵抗性が生じてしまった場合は、急性毒または第二世代の慢性毒を使用します。抵抗性を生じさせないために、急性毒・慢性毒をローテーションして使用することをお勧めいたします。これはVol.4の 「急性毒と慢性毒を組み合わせて使用する」の項で取り上げます。
第二世代のブロマジオロン製剤は、1回の喫食で効果があると言われています。ネズミが死亡するのは第一世代と同じ7~10日後です。
Vol.4では、今回ご紹介した効果的な殺鼠剤の使用方法をご紹介いたします。