動物用医薬品とは
皆様は、風邪を引いた時などに薬を服用する機会があるかと思います。そして、家畜に対しても薬を投与することがあります。
人を対象とする薬は人用医薬品や人体用医薬品と呼び、動物を対象とする薬は動物用医薬品と呼びます。
動物用医薬品とは、動物の病気の予防・治療・診断等に使用するための薬であり、人体用医薬品とは異なり、農林水産省の管轄で規制および管理されています。
※人体用医薬品は厚生労働省の管轄です。
また、動物用医薬品の中には抗菌薬や消毒薬、駆虫薬、そしてワクチンといった様々な種類がありますが、これらはすべて動物の健康を守り、畜水産物を安全かつ安定的に生産するために販売されています。(図1)
人を対象とする薬は人用医薬品や人体用医薬品と呼び、動物を対象とする薬は動物用医薬品と呼びます。
動物用医薬品とは、動物の病気の予防・治療・診断等に使用するための薬であり、人体用医薬品とは異なり、農林水産省の管轄で規制および管理されています。
※人体用医薬品は厚生労働省の管轄です。
また、動物用医薬品の中には抗菌薬や消毒薬、駆虫薬、そしてワクチンといった様々な種類がありますが、これらはすべて動物の健康を守り、畜水産物を安全かつ安定的に生産するために販売されています。(図1)
図1 動物用医薬品の分類と役割
発売までの流れ
動物用医薬品は、メーカーが勝手に製造して販売できるものではありません。
それぞれの製品について、農林水産大臣の承認を取得することで初めて製造・販売できるようになります。
実際に製品が発売されるまでには、下記のような工程を踏みます。
それぞれの製品について、農林水産大臣の承認を取得することで初めて製造・販売できるようになります。
実際に製品が発売されるまでには、下記のような工程を踏みます。
1
研究・開発
メーカーによる基礎的な研究を経て、製品の有効性・安全性といった様々なデータを取得する。
2
申請
メーカーが農林水産省へ製品に関わる資料を提出し、申請をする。
3
審査
動物医薬品検査所が提出された資料をもとに、有効性・安全性・品質について審査する。
必要に応じて、食品安全委員会と消費者庁も審査する。
4
承認
農林水産大臣に承認されることで、製品の製造・販売ができるようになる。
製品発売
5
再審査
先発品(日本において同一製品がなく、新しいもの)の場合、臨床現場で有効性・安全性について追加の調査を行う。
研究・開発と審査には多くの時間を要するため、1つの製品が発売されるには、5~10年かかるといわれています。(図2)
さらに、発売されたらすべてが終わりではありません。
先発品については、再審査という工程も必要となるため、これらをすべて含めると15~20年かかることになります。
以降では、それぞれについてより詳しくお話しします。
さらに、発売されたらすべてが終わりではありません。
先発品については、再審査という工程も必要となるため、これらをすべて含めると15~20年かかることになります。
以降では、それぞれについてより詳しくお話しします。
図2 発売までの流れについて
各工程について(動物用ワクチンを中心に)
ここからは、動物用ワクチンを中心に各工程をより詳細にご紹介いたします。
研究・開発~申請
まず、開発を始める前にどんな製品を開発していくべきかを調査および検討します。
ワクチンであれば、現場でどの疾病に対するワクチンが必要とされているかを調査します。
さらに、開発する製品の種類(生ワクチンまたは不活化ワクチンか)といった製品のコンセプトも一緒に検討します。
こういった開発方針を踏まえて、ワクチンに使える菌株を探すといった基礎的な研究から、ワクチンの製造方法の確立といった開発を進めていきます。
また、農林水産大臣の承認を取得するためには多くの資料が必要となるため、たくさんの試験を実施してデータを収集します。
ワクチン製剤が承認を取得するために必要となる資料の参考例を図3でお示しします。
このように、有効性や安全性などを確認したデータを揃えたうえで、農林水産省へ申請を行います。(=製造販売承認申請)
この他に、製造と品質管理が国の基準に沿っているのかどうか(=GMP適合性調査)、試験データが国の基準に沿って収集されたものか(=信頼性基準適合性調査)を確認する書類も提出します。
ワクチンであれば、現場でどの疾病に対するワクチンが必要とされているかを調査します。
さらに、開発する製品の種類(生ワクチンまたは不活化ワクチンか)といった製品のコンセプトも一緒に検討します。
こういった開発方針を踏まえて、ワクチンに使える菌株を探すといった基礎的な研究から、ワクチンの製造方法の確立といった開発を進めていきます。
また、農林水産大臣の承認を取得するためには多くの資料が必要となるため、たくさんの試験を実施してデータを収集します。
ワクチン製剤が承認を取得するために必要となる資料の参考例を図3でお示しします。
このように、有効性や安全性などを確認したデータを揃えたうえで、農林水産省へ申請を行います。(=製造販売承認申請)
この他に、製造と品質管理が国の基準に沿っているのかどうか(=GMP適合性調査)、試験データが国の基準に沿って収集されたものか(=信頼性基準適合性調査)を確認する書類も提出します。
| 資料の名称 | 資料の内容(一部抜粋) |
|---|---|
| 起源または発見(開発)の経緯 |
|
| 物理的・化学的試験に関する資料 |
|
| 製造方法に関する資料 |
|
| 安定性に関する試験 | ワクチンの経時的な安定性 |
| 安全性に関する試験 | 対象とする動物に通常以上の量を投与した場合の安全性 |
| 薬理試験 | 申請する効能・効果を裏付ける試験 |
| 臨床試験 | 農場規模での有効性・安全性の確認 |
※製品の種類、先発品か後発品(ジェネリック)かによっても必要となる資料やデータは異なります。
図3 承認申請に必要な資料(動物用ワクチン・先発品の場合)
審査~承認
メーカーから提出された資料をもとに、農林水産省の動物医薬品検査所が製品に対する審査を行います。
用法用量や効能効果、副作用、製造方法などについて下記の3点が確保されているかを審査します。
用法用量や効能効果、副作用、製造方法などについて下記の3点が確保されているかを審査します。
品 質
それぞれの動物用医薬品に定められた基準に適合しているかどうか。
有効性
疾病に対する効果や健康上の効能など求められる効果があるか。
安全性
著しく有害な副作用はないか。
さらに、畜水産製品については、投薬した動物が食品となった際の人への悪影響についても審査します。
食品安全委員会が評価し、その評価結果を踏まえて、消費者庁が畜水産物中の残留基準値を定めます。
これらの審査で問題ない場合に、農林水産大臣はメーカーに製品の製造・販売を承認(許可)します。
こうして初めて、メーカーは製品の発売ができるようになります。
食品安全委員会が評価し、その評価結果を踏まえて、消費者庁が畜水産物中の残留基準値を定めます。
これらの審査で問題ない場合に、農林水産大臣はメーカーに製品の製造・販売を承認(許可)します。
こうして初めて、メーカーは製品の発売ができるようになります。
再審査
製品の中でも、先発品については、承認を取得してから2年または6年後に再度審査を受ける必要があります。
調査期間は、製品の区分によって異なり、新有効成分、新配合、新投与経路の場合は6年間、新効能、新用量の場合は2年間とされています。
この審査で問題があった場合、承認内容の見直しを求められたり、承認が取り消されたりすることもあります。
再審査までの期間では、臨床現場にて製品を使った際のデータを収集し、開発段階では発見されなかった副作用の確認や、臨床現場での有効性・安全性の再確認を行います。(図4)
当社でも臨床現場でのデータを収集するため、実際に使っていただいている生産者さまにご協力いただき、評価をしています。
調査期間は、製品の区分によって異なり、新有効成分、新配合、新投与経路の場合は6年間、新効能、新用量の場合は2年間とされています。
この審査で問題があった場合、承認内容の見直しを求められたり、承認が取り消されたりすることもあります。
再審査までの期間では、臨床現場にて製品を使った際のデータを収集し、開発段階では発見されなかった副作用の確認や、臨床現場での有効性・安全性の再確認を行います。(図4)
当社でも臨床現場でのデータを収集するため、実際に使っていただいている生産者さまにご協力いただき、評価をしています。
図4 再審査では、有効性と安全性を再確認する
おわりに
動物用医薬品はこのような試験や審査があるからこそ、有効性・安全性・品質が担保されています。
次回は、実際の製品にフォーカスした開発の裏側を紹介していきます。
ぜひ、お読みください。
次回は、実際の製品にフォーカスした開発の裏側を紹介していきます。
ぜひ、お読みください。
【参考サイト・文献】
動物用医薬品とは
令和3年12月 農林水産省 消費・安全局 畜水産安全管理課
https://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/yakuzi/
動物用ワクチン-その理論と実際-
文栄堂出版/編:動物用ワクチン・バイオ医薬品研究会
動物用医薬品とは
令和3年12月 農林水産省 消費・安全局 畜水産安全管理課
https://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/yakuzi/
動物用ワクチン-その理論と実際-
文栄堂出版/編:動物用ワクチン・バイオ医薬品研究会