更なる飛騨牛深化の取り組み ~JAひだインタビュー~ 第1回 JAひだおよび飛騨肉牛生産協議会の取り組み

更なる飛騨牛深化の取り組み ~JAひだインタビュー~ 第1回 JAひだおよび飛騨肉牛生産協議会の取り組み

今回より「更なる飛騨牛深化の取り組み ~JAひだインタビュー~」と題し、JAひだの事例をもとに、現場で機能する飼養衛生管理基準の仕組みづくりと、運用するための取り組みをシリーズでご紹介します。
JAひだおよび飛騨肉牛生産協議会の取り組みがどのように現場に定着していったか、地域ぐるみの取り組みについてお伝えします。

飛騨地域の肉牛生産環境の特色

飛騨地域の肉牛生産環境の最大の特色はJAと組合(飛騨肉牛生産協議会)が主体となった組織的な取り組みで、と畜場、販売、精肉店など関係する他業種とのコミュニケーションが比較的取り易い点です。

生産者が組織する飛騨肉牛生産協議会は、毎年、枝肉研修会や購買者との情報交換会を開催し、生産者間や購買者との情報共有を行うことで、会員の飼養管理技術の向上を図っています。

更に同協議会の専門部会(作業部会)では農場HACCPの考え方を取り入れた衛生管理を進めています。この取り組みは生産者、事務局であるJAひだに加え、家畜保健衛生所、JA全農岐阜の職員も参加し定期的に開催しています。

共立製薬はこの取り組みを2014年からサポートしています。2015年からは飛騨HACCP研究会を立ち上げ、現在に至るまで定期的な情報交換や飼養衛生管理基準の改正に併せた各マニュアルのアップデートを行い、飼養衛生管理基準の構築と運用の徹底を目標に日々活動しています。

飛騨HACCP研究会立ち上げの背景

JAひだ管内の生産者の出荷先であるJA飛騨ミートは最高水準の衛生管理を有し、世界十数か国へ飛騨牛を輸出しています。そのためJAひだ管内の生産者はこのJA飛騨ミートの基準に見合う家畜を納入(出荷)する必要があります。

農場はおいしいだけではなく、JA飛騨ミートの基準に見合う安全な家畜を生産・納入しなければなりません。飼養衛生管理基準の遵守徹底は安全な製品の生産体制を確立するために必須となります。

コロナ禍の逆風を吹き飛ばした「おうちで飛騨牛」プロジェクト

2019年から始まった世界的なパンデミックにより、日本各地の農産業・畜産業は打撃を受け続け、その影響は現在も続いています。
そんな中、JAひだが中心となった「おうちで飛騨牛」プロジェクトは1万人を超える支援者を獲得し、2020年のクラウドファンディングで1位に輝きました。(CAMPFIRE CROWDFUNDING AWARD総合第1位)
このプロジェクトが成功した背景にはJAひだを中心とする生産環境や精肉店とのネットワークがありました。

「JAひだ飛騨牛安全認定基準(仮称)」に向けて

JAひだは第9次中期三か年計画(R4-R6)の中で、HACCPに準じた飛騨牛安全認定基準の設定として、「農場HACCP推進農場認証に向けた生産者の増加による農場衛生水準の向上」、「JAひだ飛騨牛安全認定基準(仮称)」の確立による飛騨牛品質保証の強化を掲げています。
共立製薬はJAひだが掲げる中期経営計画に沿って、その活動をサポートしています。

次回からはステークスホルダーへのインタビューをもとに、JAひだの取り組みについてご紹介します。