薬剤耐性とは
薬剤耐性が生じる要因としては、抗菌薬の「不適正使用」が指摘されがちですが、それだけではありません。実は抗菌薬の使用自体が薬剤耐性を生じさせる原因です。つまり、抗菌薬を使用し続ける限り薬剤耐性の問題がなくなることはなく、「適正使用」および「慎重使用」に努めることでその出現を最小限に抑えるよりほかはありません(表1)。
| 適正使用 | 抗菌剤の用法・用量を遵守し、使用上の注意をよく読んで正しく使用すること |
|---|---|
| 慎重使用 | 使用すべきかの判断を含めて抗菌剤を必要なときに適正使用することで最大の治療効果を上げ、薬剤耐性菌の出現を最小限に抑えること |
表1. 抗菌剤の適正使用および慎重使用
出典:薬剤耐性菌についてのQ&A 第二版
https://www.maff.go.jp/nval/tyosa_kenkyu/taiseiki/pdf/taiseikin_q_a_20100107.pdf
農林水産省 動物医薬品検査所 検査第二部抗生物質製剤検査室
参考:動物用抗菌剤の『責任ある慎重使用』を進めるために
https://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/yakuzi/pdf/vet_panf_prudent_use.pdf
(農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課)
薬剤耐性のメカニズム
薬剤耐性はなぜ生じる?
薬剤耐性はどのようにして生じる?
参考:動物⽤抗菌剤の『責任ある慎重使⽤』を進めるために
https://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/yakuzi/pdf/vet_panf_prudent_use.pdf
(農林⽔産省消費・安全局畜⽔産安全管理課)
薬剤耐性にまつわるキーワード
交差耐性
多剤耐性
重要な抗菌薬:第2次選択薬
具体的にはフルオロキノロン系抗菌薬(エンロフロキサシンやマルボフロキサシンなど)や第三世代セファロスポリン系抗菌薬(セフキノムやセフチオフルなど)、15員環マクロライド系抗菌薬(ツラスロマイシンなど)、コリスチンが該当します。一方、第2次選択薬以外の抗菌薬は第1次選択薬に該当し、初期の治療から使用することが可能です。


抗菌薬を分解する酵素を産生し、その活性を失わせることで薬剤耐性を示すようになります。
② 抗菌薬が作用する部分の構造を変える
抗菌薬の標的となる部分の構造を変化させ、その作用を受けなくすることで薬剤耐性を示すようになります。
③ 抗菌薬を菌体外に排出する
菌体内に取り込まれた抗菌薬を効率よく外に排出することで、菌体内の抗菌薬濃度を低下させ、薬剤耐性を示すようになります。
④ 抗菌薬が菌体内に入りにくくする
抗菌薬が菌体内に取り込まれにくくすることで、菌体内の抗菌薬の濃度を低下させ、薬剤耐性を示すようになります。