サシバエはどこで見かけるか
前回で説明した通り、サシバエ成虫の形態はイエバエ成虫と異なります。口吻が最もわかりやすい所であり、農場内にてイエバエなのかサシバエなのかを判別ができると思います。
どのような場所でハエ成虫を見かけるか観察してください。
どのような場所でハエ成虫を見かけるか観察してください。
牛体表
扇風機やファンの風が当たる場所には基本的にはハエはとまれません。なぜならば、風の流れにより飛翔性昆虫の行動が大きく影響を受けるからです。風が当たらない側の牛体表、四肢、腹部などを観察してください。(写真-①)。風のコントロールだけで飛翔性昆虫の行動を制限できますが、広い農場ではあまり適しません。
牛舎内の資材などにとまっている
サシバエはひも状のものに好んでとまりますので、ひも状のもの、ネット状のカーテンなどを観察してください。(写真-②)
サシバエ幼虫を見かける
発生源の特定は非常に難しく、見つけられたとしても1ヵ所ではなく、その場所以外も疑う必要があります。ハエが発生する場所、幼虫が育つ場所は基本的に有機物(飼料こぼれ、畜糞など)と水が必要となります。その様な疑わしい場所を探していくと、ハエ幼虫を見つけやすいと思います。また蛹の抜け殻(羽化した後の蛹の残骸:幼虫発育場所と異なり乾燥した場所に集まります)が確認されるとその近くに幼虫がいる場所があります。
畜舎周辺への確認
昼間、牛舎内にて、牛が横になって寝ていない。充分に休めていない状況が見られる。
サシバエによる吸血ストレスにより、ゆっくりと牛が休めない状況にあります。日中、牛が立って寝ていない状況、尻尾を振ってハエを追い払う行動も見られます。
サシバエによる吸血ストレスにより、ゆっくりと牛が休めない状況にあります。日中、牛が立って寝ていない状況、尻尾を振ってハエを追い払う行動も見られます。
畜舎周辺の草むら、樹木にサシバエ成虫が観察される(写真-③④)。
日中はサシバエ成虫が畜舎内でも観察されますが、主として畜舎周辺にいることが多いです。畜舎周辺の草むら(特に細い葉など)、樹木、ひも状の資材、柵などを確認してください。
この畜舎周辺の観察時では、どの場所に多くサシバエ成虫がいるのか観察してください。その畜舎の、立地、畜舎構造、風向き、近隣状況、草木などの環境によって大きく影響を受けます。
日中はサシバエ成虫が畜舎内でも観察されますが、主として畜舎周辺にいることが多いです。畜舎周辺の草むら(特に細い葉など)、樹木、ひも状の資材、柵などを確認してください。
この畜舎周辺の観察時では、どの場所に多くサシバエ成虫がいるのか観察してください。その畜舎の、立地、畜舎構造、風向き、近隣状況、草木などの環境によって大きく影響を受けます。
牛が飼槽に近寄らない。飼槽から離れた場所に集まって塊になっている。(フリーストールなど(写真-⑤⑥))
サシバエの被害
飼槽に近寄るとサシバエの吸血を受けるため、飼槽から離れている状況、また牛が集まって固まる事によりサシバエの吸血から逃れようとしている状況がみられます。このことにより飼料摂取量減少し、増体、乳量に影響が出ていると考えられています。
養豚の場合の事例ですが、吸血箇所が化膿している状況が見られます。(写真-⑦)
様々なサシバエの被害が見られますが、サシバエ対策にはどのようなことができるのでしょうか。 実際、皆様の農場ではどの様に対応されていますでしょうか。
サシバエの防除についても、イエバエの防除と一緒で、一般的な防除の考え方、つまりIPM(integrated pest management:総合的有害生物管理)の考え方にて対応していきます。(畜産ナビ イエバエ対策入門編にも記載)
ただ、サシバエの生態・行動を十分に把握できないまま防除方法を実施した場合、コストだけがかさみ、実施した従業員の時間と労力も見合わず、効率的な防除方法とは言えない状況に陥ることもままあります。 次の章にて、サシバエの防除につきましてお話しさせて頂きます。
【参考文献】
和田義人.ハエ・蚊とその駆除.財団法人日本環境衛生センター.㈲独立印刷社,1990,174P