畜産の悪臭対策におすすめ!消臭対策のプロが教える、効果を最大限にする消臭剤の使い方

畜産の悪臭対策におすすめ!消臭対策のプロが教える、効果を最大限にする消臭剤の使い方

農場における消臭対策のひとつに消臭剤を用いる方法があります。市販の消臭剤にはさまざまな種類があります。どれを選べば良いのか困ってしまった経験はありませんか? この記事では消臭剤の種類や、効果的な使用方法について専門家の意見を踏まえて分かりやすく説明しているので、ぜひご一読ください。

消臭方法の種類

消臭するには様々な方法がありますが、ここでは臭いに対して作用の異なる4種類の方法をご紹介します。
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物理的吸着法

物理的吸着法では臭い物質を多孔質の穴に吸着させることで減臭を行います。吸着物質としては活性炭やゼオライトが用いられます。効率良く臭い物質の除去が行えます。多孔質が飽和状態のときは、臭いを吸着しませんので交換が必要です。

マスキング法

マスキング法は悪臭を良い香りで覆い隠す方法です。臭い成分を分解しているわけではないので、元の臭いは存在し続けます。

微生物法

微生物法では消臭成分として微生物由来の酵素、もしくは微生物そのものを利用しています。前者では酵素が化学的に臭い成分を分解することで減臭を行います。後者では微生物が臭い物質を栄養として利用することで減臭を行います。臭い物質を分解する際に酵素を使用するので、直接の消臭成分は酵素ということになります。微生物法では微生物や酵素の働きにより臭気濃度を減らすことができますが、環境の変化に弱いという弱点があります。微生物は環境が悪いと死滅してしまいます。酵素は臭い物質を分解するために求められる条件(pH・温度)が比較的シビアです。pH・温度が最適な状態からずれてしまうと働きが弱くなります。

化学反応法

化学反応法では、臭い物質と反応成分が化学的に結合し、臭い物質を無臭物質にすることで消臭を行います。化学反応法では臭気濃度を減らすことができ、環境の変化に対しても安定して消臭を行えます。

消臭剤「エポリオン」

共立製薬が開発した消臭剤エポリオン​は、ベタイン化合物を主成分とした化学反応型の消臭剤です。ベタイン化合物は、糞尿から発生するアルカリ性臭の原因となるアンモニア、堆肥の腐敗によって発生する酸性臭の原因となる硫黄化合物・低級脂肪酸、同じく腐敗により発生する中性臭の原因となるアルデヒドなどのさまざまな性質を持つ臭い物質と化学反応し、無臭物質に変化させる優れた能力があります。ここで挙げた臭い物質は悪臭防止法で特定悪臭物質として定められており、臭気の規制の対象になるもので、これらの悪臭物質が組み合わさって複合臭となり農場の臭いの原因となります。「エポリオン」は農場で発生する複合臭を、個々の原因物質そのものを無臭化することによって消臭します。
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「エポリオン」の効果的な使い方

基本的な使用方法

「エポリオン」は水で希釈した後、減臭したい場所に噴霧して使用します。噴霧方法には1流体噴霧と2流体噴霧があります。1流体噴霧では液体に2~6MPaの高い圧力をかけてミスト状にして噴霧します。多くの農場で使用されているのは1流体噴霧の方法です。2流体噴霧では液体と圧縮空気を混合し、ミスト状にして噴霧します。2流体噴霧はエアーの供給が可能な農場で使用することができます。2流体噴霧では0.3MPaという水道水程度の液圧で噴霧を行います。また、「エポリオン」は携帯噴霧器を用いて使用することもできます。

排気臭気の消臭

農場における排気臭気の処理方法には、主にスクラバーを用いた水洗浄法と、微生物層を利用した生物脱臭法があります。
スクラバーは排気臭気の通り道に対して水を噴霧することで臭いを除去する装置です。生物脱臭法とは排気臭気を土壌などの微生物層を通すことによって、微生物の力で消臭を行う方法です。排気臭気をスクラバーで処理している農場では、スクラバーの排気口に「エポリオン」の噴霧を行うことで効率的な消臭を行うことができます。噴霧ノズルの設置が難しい場合は、スクラバーに添加して使用するという方法もあります。
排気臭気を微生物層で処理している農場では、微生物層の上部にノズルを設置し、「エポリオン」を噴霧することによって消臭できます。

敷地境界での噴霧

敷地境界まで達した臭いは生垣や遮蔽壁に阻まれて一度留まり、ゆっくりとこれらの上部を超えて敷地外へと流出します。停滞した臭いに向かって「エポリオン」を噴霧することで消臭を行います。「敷地境界で何やら液体を噴霧している」という見た目のインパクトは近隣住民に消臭対策をしていることのアピールにもなります。

徹底的な消臭対策と組み合わせ、さまざまな製品の中から自分の農場に合った消臭剤を使おう

「エポリオン」を含め、すべての消臭剤は徹底的な消臭対策を行った後に使用することで最大の効果を発揮できます。農場における主な臭いの発生源は堆肥舎で、ひとつの農場で排出される大量の糞の9割近くが堆肥として処理されます。この膨大な量の堆肥から発生する臭いは、どれほど優れた消臭剤をもってしても、それだけでは処理しきれません。堆肥の好気的処理や、畜舎の清掃などの消臭対策を可能な限り行った後に消臭剤を使用することで、最大の効果を発揮します。臭剤を使われる際は、ぜひ共立製薬の「エポリオン」をご検討ください。
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